学校法人 原田学園 鹿児島情報高等学校

お知らせ

【2025⇔1976】僕らのプノンペン滞在記③【プレップ科】

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皆さんこんにちは。
プレップ科です。

3月21日金曜日に修了式も終わり、今週は静かな時間が流れています。
ご報告の方も滞っていましたが、始業式にはすべて終わるよう、加速していきたいと思います。
よろしくお願いします('◇')ゞ

2月17日お昼
小学校での交流を終えた私たちは、再びフェリーに乗ってプノンペンに戻り昼食です。
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官公庁街のイタリアンレストラン!   う、うまい...
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皆に取り分けてる、優しいなぁ    大路さん、ありがとうございました!

 NOMPOPOK(ノムポポー)の大路さんとの食事も終わり、ここでお別れです。
生徒の中には、大路さんのプログラムを支援するためにマイプロジェクトを始める者も
出てくると思います。その際は、なにとぞ宜しくお願いします。

レストランを後にし、今度はトゥールスレン博物館へ移動です。
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入場前の説明で既にショック状態   入場時の領収書(グーグル翻訳)

 ここは正式名称を「国立トゥール・スレン虐殺犯罪博物館」といい、1976年から2年9か月の間
ポル・ポト政権に反対する人々を探し出すために尋問、拷問、殺害がおこなわれた施設です。
入場前のガイドのパナーさんの事前レクチャーだけでも、すでに青ざめた表情の生徒がいました。
 この施設に象徴されるポル・ポト時代が現代のカンボジアにまで影響を及ぼしていること、そもそもこの施設が作られた背景や経緯、施設閉鎖後も大国同士の代理戦争として14年続いた内戦のことなどを考えていると、ドラマ坂の上の雲で西田敏行さん演じる高橋是清がつぶやいた
             「・・・、世界は複雑だな・・・」
という台詞が浮かんできました。生徒にとっては忘れらない1時間になったと思います。

 1970年代のまま時間が止まったような博物館を出ると、そこは2025年。
にぎやかな街のなかです。移動中のバスの車窓からは、人々の笑顔や商品のあふれるお店など、
この日常こそが平和なのだと訴えてきます。午前中はワイワイ言っていた生徒も、時代を超えた
ギャップに絶句したまま、ただただ窓の外を見つめていました。

 さて、バスは15分でJICA(国際協力機構)カンボジア事務所に到着です。
青年海外協力隊でご存じのJICAですが、ODA(政府開発援助)と呼ばれる途上国の社会・経済の発展のために資金・技術協力をおこなう組織でもあります。
 今回は、JICAがこの国でおこなっている教育と医療に関するプロジェクトにテーマを絞って
レクチャーをして頂きました。
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まさに大人のプレゼン、かっこいい  メモをとりながら質問を作っているね

 代表の鈴木さんからは、情報高校がカンボジア研修8回目であること、生徒が小学校に
行ってきたことを踏まえて、各種プロジェクトの目的と内容についてお話を頂きました。
説明は40分ほどで終わり、「さて残り時間(1時間)は質疑応答や意見交換をおこないましょう」とお声がかかりました。最初はもじもじしていた生徒たちも今日1日の思いがあふれ出した
かのように、最初の一人が質問すると我も我もと堰を切ったように質問が飛び出してきました。

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生徒の質問に丁寧に答えてくれました 生徒のやり切った感が顔に出てますね!

印象に残った質問と答えをふたつご紹介します。

質問
「人口減少に悩む日本の国力は衰退している、今後外国への援助は減らし、国内へ力を
注ぐべきではないでしょうか」
回答
「確かに日本は少子高齢化を原因とする様々な問題を抱えています。例えば、この国で
近年深刻化する生活習慣病の増加問題に取り組むことは、同時に日本での同じ問題に
取り組むことにもなります。
 また長年支援してきた地雷除去技術と経験においては既に日本を凌いでおり、停戦後の
ウクライナで日カン共同事業で地雷撤去を進めようとしています。一方的な援助ではなく、
日本のパートナーを得るという視点でもおこない、国益となるようにしないといけないと
思います」

質問
「開発によって整備されたインフラは利便性をもたらすことは理解できる。一方で、
仕事を失う人もいると思われる。例えば、今日渡ったメコン川のフェリーの人たちは
計画中だという橋が完成すれば失職するだろう。
 日本のプロジェクトに関しては、そのような人たちへのフォローはされるのか」
回答
「私たちは、その負の影響がなるべく小さくなるように事前の調査や計画をおこなう
ようにしている。私たちは決して自分たちだけで物事を進めることはしない。現地の
人たちと一緒におこなうことが大事。しかし、最終的にはその国の政府と国民の選択
を尊重することが大事だと思っている」

 質問は途切れることなく続き、お約束の時間を過ぎてまでお答えを頂きました。
正確でわかりやすい言葉を選んで、スムーズに答えていく鈴木さんについて
ある生徒は「自分がした質問の答えを聴いて、もう勝てないと思った」と話して
周囲から「お前は何様だ」「えらそうに言うな」「上から目線が意味わからん」
と突っ込まれ、帰りの車内は爆笑に包まれました。

 大変長かった1日目が終わり、ちょっと一休みです。王宮前で記念撮影をして
夕食はメコン川のほとりのレストランでクメール料理を頂きました。
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今日はいろいろあったなぁ      やっと観光っぽいことできる!
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リバーサイドのレストランで夕食   美しい夜景、平和っていいね
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人のごはんあげれない、ごめんね   今日の疲れをいやしてくれる一枚
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明日はシェムリアップへいくぞ!   誕生日おめでとう、スイカケーキ登場!

さて、プノンペン編はこれにて終了です。
実質1日間の活動でしたが、もう何日もいた気分になりました。
首都プノンペンは、本当に来るたびに景色が変わります。
発展途上国って、現在進行形で発展しているので、すごい活気があります。
それだけは、先進国である日本とは異なる部分だなと思います。
それでは、次回シェムリアップ編をお楽しみに!
※明日3月26日更新の予定です。